学部学科トピックス
【研究者紹介】「ストレスへの反応の仕方やその対処方法について」 島澤 ゆい 助教
本学の教員が、研究者としてどのような研究をしているかインタビューした「研究紹介」シリーズ。今回は島澤 ゆい 助教です。
児童教育学部 児童教育学科 島澤 ゆい 助教
◆専門分野
発達心理学、教育心理学
◆研究テーマ
ストレスへの反応の仕方やその対処方法について

【動画】
Q 研究内容について教えてください
ストレスに対する反応の仕方や程度には個人差があると考えられており、出来事に対する感受性や傷つきやすさもそれぞれ異なります。
そこで私はどのような人がストレスを感じやすいのかを研究し、その対処方法を検証しています。これまで、母親の育児ストレスと自我状態の関連について調査・分析を行い、エゴグラムのAC(adapted child 順応した子ども)という自我状態の得点が高い母親は育児において完璧を求める傾向があり、ストレスを感じやすいことを明らかにしました。
また周囲からのサポートが不足していることもストレスに繋がりやすいことが示されました。他者との関係が良好であり、容易に相談できることがストレスの軽減において重要であることが明らかになりました。



Q その研究の魅力を教えてください
生理学の分野で「ストレス」という言葉を初めて用いたH.Selyeは、ストレスについて「誰にでも起こりうる一連の生理的反応やその過程のこと」であるとしています。誰にでも起こりうるとされていますが、その反応や感じ方は人それぞれであることが知られています。
現代人の生活には、ストレスがない状態はないといっても過言ではないほどです。私自身、学生の頃は、対人関係や些細なことが気になったりして落ち込んだり体調を崩すことがよくありました。
多様な環境の中で生活する現代人から、ストレスを完全に無くすことは難しいと思われますが、ストレスについて研究しその対処法を検証することは、「ストレス」によって不調や負担感を感じている人々を救う一助となると考えています。
Q 本研究のこれからを教えてください
ストレッサーとなりうるもののひとつに、人間関係や対人関係があることが知られています。特に青年期の「希薄な友人関係」は、ストレスをもたらすものとして問題視されています。
私の研究においても、他者との関係が良好であることがストレス軽減に重要であることが示されています。
そこで、現在は対人関係におけるストレスとパーソナリティ傾向の関連について研究を進めています。どのようなパーソナリティ傾向をもつ人が対人関係におけるストレスを感じやすいのかを明らかにするとともに、様々な対人場面におけるストレスの値を、唾液アミラーゼという生理的評価を用いて測定していくことで、より具体的なストレス状態とストレスへの対処法を検証していきます。
◆高校生へメッセージをお願いします
心理学は言葉の通り「人の心」を研究する学問ですが、その領域は多岐にわたり、各領域で研究が進められ、日常生活に活かされています。
心理学のはじまりはおおよそ140年前とされ、学問としてはまだまだ誕生したばかりの分野なのですが、実は我々の生活に深く関係する学問なのです。
みなさんの目指す分野にも、心理学が関係しているかもしれません。自分の目指す分野において心理学をどのように活用できるのか、一緒に考えてみませんか。
プロフィール
児童教育学部 児童教育学科 島澤 ゆい 助教
現職に就くまでは、保健センターにて乳幼児健診の発達相談や発達支援教室の心理士として相談支援業務に従事していました。
現在は、児童教育学部児童教育学科の教員として、教育心理学や教育相談(カウンセリングを含む)といった、心理学の知識を保育・教育の現場で活かす方法を伝えています。
2児の母でもあり、心理学の知識を活かしながら子育てに奮闘中ですが、知識を上回る子どもたちの予想外の行動に、疲労と楽しさで忙しい毎日を送っています。
