学部学科トピックス

2026.01.14
生活環境学科

【研究者紹介】「建築構造と施工技術の融合による現場力の向上」 吉田 競人 教授

本学の教員が、研究者としてどのような研究をしているかインタビューした「研究紹介」シリーズ。今回は吉田 競人 教授です。

 

生活環境学部 生活環境学科 吉田 競人 教授

専門分野
建築構造

◆研究テーマ
建築構造と施工技術の融合による現場力の向上




【動画】

Q 研究内容について教えてください

建築構造と施工技術の両分野を専門とし、大学教育と実務をつなぐ研究に長年取り組んでいます。
米国では建築構造のリダンダンシー(構造冗長性)に関する研究を行い、日本国内では座屈拘束ブレース(BRB)の実験研究に取り組んできました。
これらの成果をもとに、木造建築向けの座屈拘束ブレースや制振壁の開発を実現し、耐震性能の向上と施工性の両立をめざしています。
さらに近年は、施工現場の省力化や若手技能者の育成支援を目的に、鉄筋への識別情報表示技術や、熟練技能者の作業ノウハウをICTで可視化・継承する技術の開発にも取り組んでいます。構造・施工の両面から、建築の未来を支える実践的研究を推進中です。

 

Q その研究の魅力を教えてください

建築構造や施工の研究は一見すると専門的で難しそうに思われるかもしれませんが、実は私たちの暮らしの「安全」と「快適さ」を支える非常に実践的な分野です。
特に私の研究では、災害に強い建物づくりや、誰もが施工しやすい現場環境の実現をめざしており、社会的な意義の大きさを日々感じています。
また、木造建築に適用できる制振技術や、鉄筋に印字された情報による作業支援など、現場で実際に役立つ技術を生み出せることも大きな魅力です。
さらに、熟練技能者の知識や動作を見える化して次世代に伝えることは、少子高齢化が進む建設業界にとって重要な課題であり、その解決に向けた挑戦はとてもやりがいがあります。

 

Q 本研究のこれからを教えてください

今後はこれまでに開発してきた木造用制振ブレースや制振壁を、より多様な建築物に適用可能な技術へと発展させていく予定です。
また、鉄筋への識別情報表示やICTによる技能継承の研究についても、産業界との連携を深めながら実際の施工現場での実証実験や製品化を進めていきます。
少子高齢化が進行する中、建設現場では誰もが効率よく、安全に施工できる仕組みづくりが急務となっており、私の研究はその一端を担うものと考えています。
今後は大学での教育・研究活動を通じて、こうした新技術を次世代の技術者に伝えながら、より安全で持続可能な建築づくりに貢献していきたいと思っています。

 

◆高校生へメッセージをお願いします

建築は、地震や風から人の命を守る「安全」を支えると同時に、豊かな暮らしや街の風景を形づくる魅力的な分野です。
私の研究では災害に強い構造の工夫や、現場で働く人たちの負担を減らす新しい技術の開発に取り組んでいます。図面の中だけでなく、実際の現場や社会とつながる実践的な学びがたくさんあります。
ものづくりや建築に少しでも興味がある人は、ぜひ一緒に学びましょう!

 

プロフィール
生活環境学部 生活環境学科 吉田 競人 教授
博士(工学)・一級建築士・構造設計一級建築士・設備設計一級建築士。名古屋葵大学 生活環境学部 教授。大学卒業後、構造設計事務所に勤務し、建築構造の実務に携わる。
のちに米国大学院へ留学し、構造冗長性(リダンダンシー)に関する研究で修士号を取得。帰国後は、座屈拘束ブレース(アンボンドブレース)に関する実験研究に取り組み、その成果により博士(工学)の学位を取得。
以降、建築構造と施工技術の両面から研究を進め、木造建築への座屈拘束ブレースの適用や、鉄筋に識別情報を印字する技術の開発、熟練技能者の作業ノウハウをICTで可視化・継承する手法の構築など、実践的かつ社会的課題に対応したテーマに取り組んでいる。安全性・施工性・省力化を統合的に高める建築技術の開発をめざしている。